白川疎水の謎のコンクリート構造物 |
白川疎水が北白川久保田町で旧滋賀街道と交差しているところで、丁度「花折断層」の上、白川疎水の右岸の土手にある、一見、戦時中の防空監視哨に見える円筒状のコンクリート建造物ですが、地元の人に聴いても「何のための構造物かよくわからん」という答えが返って来るだけ。
ただ、この建造物の真下には白川疎水に並行して松ヶ崎浄水場に水を送る本管が埋設されており、この水量を万が一の時には調整する機能を持った施設ではないか、というのが水道局や府立資料館で得た答えでしたが、確たることは判らないとのこと。
ただ、本管の水量調節を図る装置はこの構造物の南20m付近に設置されており、わざわざコンクリ−トで監視厰そっくりの建造物を造るというのは少し解せぬところがあり、さらに疎水事務所で古い台帳を調べてもらったところ、その位置には細い線の円形が描かれてはいるものの,それ以外には何の記載もされていませんでした。
もっとも、監視厰なのではないかという私の考えにしても、確かに戦時中まではこの近辺は住宅も少なく、花折断層地形の上段に位置するところから展望は良かったであろうことは容易に想像出来るものの、南西方向には吉田山の高みがあってこの方向の視界はやや悪い点が、監視厰を設置する場所としてもっともふさわしかったかどうかは疑問符がつくところでもあるのが弱いところです。
いずれにせよ、今後も納得出来るまで調べてみるつもりなので,戦時に設定された「京都府下33カ所の防空監視隊設置図」なるものが国会図書館にあるらしいので,これを近いうちに北白川久保田町のこの地点がそうであったかどうかをチェックしに行こうかなとおもっています。
なお、下段の地図は昭和10年に測量の1/3000という縮尺の地図です。