2009年 09月 07日
旭浜トーチカ3 |
十勝海岸旭浜に残るトーチカ群は、太平洋戦争の初期はともかく、1994年になって日本海軍がマリアナやソロモン海域での海戦に破れ、グアム、サイパンまでも陥落し太平洋での制海権、制空権も米軍にうばわれたことから本土防衛が急務となったため、その年の夏から秋にかけて、十勝海岸では旧陸軍第7師団の工兵聯隊の兵士を中心に、動員された地元民と共に各所にコンクリートトーチカの建造作業が急ピッチ(一つのトーチカを一週間で建造したらしいです)で進められたそうです。その作業は、まず海岸の段丘部に深さ1m程度の四角い穴を掘ってコンクリートで固めてこれを基礎とし、その上に木枠を組んでコンクリートを流し込んで四面の壁を造ってから上部の天井部を造る。最後に銃眼部以外の全体を土砂で覆い、最後に草などを植えて偽装して完成、という手順だったそうです。しかし、その造りはあまり丁寧ではなかったようで、セメントのなかに20センチ程度の大きな石ころも多数含まれていいるようでもあり、トーチカそのものの強度はあまりなかったのではないでしょうか。
by rondoharmonia
| 2009-09-07 00:01
| 戦争遺構を巡る